2010年1月10日日曜日

儲かる農業 感想

 「働かざるもの、飢えるべからず」を読んで、単純に考えるに、かの兼好法師も「農を勸めば、下に利あらむこと疑ひあるべからず」とおっしゃっていた事から、まず、日本の食料自給率を上げる事から始めるべきだろう…と思いました。
 という訳で、「儲かる農業」なのだ。
 どんな事が書いてあるか?というと、営業さんが契約栽培の仕事を取ってきて、その取引量に応じて野菜等を生産するというビジネスモデル。
 下地になっているのは、今の農産物・流通システムに対する疑問です。今やネット・広告で、どの農産物が安い値段で売っているか?は、誰でも簡単に調べられます。そんな訳だから、スーパーも安売り競争を仕掛ける。バリュープライス!なんて標語を掲げて、どんどん安く売る。そのしわ寄せは、最終的には農家へ来ます。そんなんでいいんですか?売り方、ひいては、作り方も考えようよ!という提言です。
 私自身、春先に真狩村へ嫁さんとグスベリ向かいの農家さんの「にんじん」堀を申し訳程度に手伝いに行って、商品価値の無い「にんじん」を分けてもらったりしてます。その手伝いの中で感じるのが、食べても美味しいものが捨てられる現実…。JAに出荷するのに、商品価値の無いものが混ざっていると、JAで選別されて、後から廃棄料金を請求されるから仕方が無いようなのです。ちょっと傷があったり、サイズが大きすぎたり、小さすぎたりしているだけなのです。本書では、この辺の事情についても、売り先のニーズという視点で書かれています。
 本書の視点は、規制が強かった今までの農業ビジネスを再考するもので、ありきたりかもしれませんが、面白いと思います。
 情報時代は、コンテンツを握っている者(コンテンツを売っている者ではない)が有利なんです。そんな意味では、一次産業の時代が来ていると思うのです。

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